有給休暇の日数は?法律で有休が無いのは違法と明言!



こんにちは!薫です。

皆さんは「うちの会社は有給休暇なんて無い」と言われた経験はあるでしょうか?

 

よくある誤解なのですが、「有給休暇が無い会社」というのはそう思わされているだけです。

有給休暇というのは労働者の権利として絶対に存在しています

 

「有給休暇が無いんだ・・・」と諦めてしまう方がいないように

今回は有給休暇制度について書いていきたいと思います。

気になる方は最後まで読んでくださいね♪



年次有給休暇とは?

年次有給休暇とは一定の期間以上を会社に所属して勤務してくれている労働者が

仕事の疲れを癒す為の休暇であり、給与保証がされた休日です。

 

年次といわれているように、1年に1度一定日数付与される有給の休暇というわけですね!

会話の中では年次有給休暇とは言わず、「有休」「有給」と言う方が多いのではないでしょうか?

 

法律で定められた労働者の権利として、会社から労働者へ付与されるのが年次有給休暇であり

付与されるには条件が2つあります。

  1. 入社してから6ヶ月後が経過している
  2. 勤務日数のうち8割以上が出勤している

この2つをクリアしていれば、入社して半年後には年次有給休暇が付与されます。

つまり「有給休暇は、うちの会社には無い」なんて事は日雇いでもない限りありえないわけです!

 

年次有給休暇の日数は?

「6ヶ月以上勤務しているし、シフトの8割以上を出勤しているから付与される!」

そう喜んでいる方が多いと思いますが、ここで覚えていて欲しいのが

付与される有給休暇の日数は一般労働者とパート・アルバイトには違いがある事です。

 

一般労働者とパートタイマーは勤務時間や日数が違う為、待遇も変わってくるわけですが

ここでは付与される有給休暇の日数がどれだけ違うのか紹介していきたいと思います。

 

一般労働者の方の場合

一般の労働者の方の場合は入社後、半年が経過した時点で10日の有給休暇が付与されます。

そこからは1年毎に付与される有給休暇の日数が増えていき、最大で20日になります!

出典:くらしと仕事 様

勤続年数が長ければ長いほど、付与される有給休暇の日数も増えていく仕組みになっており

法律で定められているので、どんな会社でも同じように付与されていきます

正社員として雇用されている場合は、このように10~20日の有給休暇を貰えるというわけですね!

 

パート・アルバイト(短時間労働者)の場合

次にパート・アルバイト(短時間労働者)の場合ですが、週30時間未満の勤務と仮定して

勤務日数を基準に4段階に分けて有給休暇が付与される形になっています。

出典:くらしと仕事 様

画像を見てもらうと分かる通り、1週間の所定労働日数で変わってきます

 

画像が表示されない場合の為に書いておくと、一番右側を最大付与日数として

週4日勤務:7日、8日、9日・・・・・15日

週3日勤務:5日、6日、6日・・・・・11日

週2日勤務:3日、4日、4日・・・・・7日

週1日勤務:1日、2日、2日・・・・・3日

このように有給休暇が付与されていきます。

 

「正社員じゃないから有給休暇は無い」なんて事はありませんので

パート・アルバイトの方でも有給休暇は使えるという事を覚えておいて下さいね!

 

法律で有給休暇が無いのは違法と明言

例として挙げている「有給休暇はうちの会社には無い」と言われたケースですが

実は私が以前勤めていた会社の朝礼終礼などで言っていた内容です・・・。

 

アルバイトとして入社半年後に有給休暇を申請した際に

「有給休暇は無い」「正社員にならないと付与されない」と突き返されたわけですが

似たような経験がある方もいると思います。

 

ここまで読み進めて頂いた方なら分かると思いますが、有給休暇の拒否は違法です。

業種・業態にかかわらず、正社員、パートタイム労働者などの区分なく

一定の要件を満たした全ての労働者に対して

年次有給休暇を与えなければならない(労働基準法第39条)。

私のケースだと「有給休暇は無い」と言われたわけですが

法律で有給休暇が無いのは違法だと明言されています。

 

つまり会社側が「有給休暇は無い」と言っていても、法律上は絶対に付与されているので

申請した日を休んだとしても有給休暇として処理をしなければならないわけですね!

 

これも法律で定められているわけですが、有給休暇の取得で不利益を被らないように

会社側は労働者に対して配慮をしなければならないわけです。

労働者が年次有給休暇を取得したことを理由として、その労働者に

不利益な取扱いをしないようにしなければならない(労働基準法附則第136条)。 

 

私の場合は欠勤扱い・時給の減給と反省文の提出という対応を取られましたが

弁護士に相談した結果、会社側が違法な対応をしていたとして

退職時に慰謝料支払い+有給休暇分の買い取りで示談という形になりました。

 

ブラック企業と言われている会社に多い傾向なのですが

有給休暇の取得率が極端に低かったり、離職率が高かったりします。

入社する前に、本当に入社して大丈夫なのか調べてみると良さそうですね!



有給休暇はいつでも取れる?時季変更権とは?

基本的に「労働者が好きな時に有給休暇はいつでも取れる」というのが原則です。

ですが絶対に休めるのが有給休暇だという認識は捨てた方がいいでしょう・・・。

 

例えば同じ日に有給休暇を取りたい人が5人いたとします。

その人達が同時に有給休暇を取ってしまうと業務に支障が出てしまう。

そういった場合に会社側としては困ってしまいますよね?

そこで会社側が取れる対応が時季変更権という権利です。

 

労働基準法第35条第5項

使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。

ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合

他の時季にこれを与えることができる。

 

これは繁忙期にも関わらず有給休暇を取りたい人が多すぎた場合や

代わりを立てられるほどの余裕も無い場合に適用される権利ですね!

 

本来は有給休暇や急な欠勤が出ても

業務に支障が無いように会社側は人員などを配慮しなければいけません。

「1,2人なら大丈夫だけど5人は厳しい・・・。」

そういった場合のみ適用されるわけですが、拡大解釈をしてくる場合もあります。

 

時季変更権が適用されるケース

先ほど紹介した例が時季変更権を適用されますね。

他にも以下のような場合は時季変更権が適用されるケースになります。

 

・繁忙期にも関わらず複数人が有給休暇を希望していて業務に支障が出てしまう

・病欠などによる欠勤者が複数人いる状況で有給休暇を急に取りたい

 

具体的な例を出してみると、ほとんどありえない状況でない限り有給休暇は取れますね。

基本的に、事前に申請さえしていれば有給休暇は取れると思っていて大丈夫そうです。

 

時季変更権が適用されないケース

会社側として時季変更権が適用されないケースもあります。

ここでは時季変更権が適用されない例とその理由を紹介していきます。

 

従業員数8人の職場で2人が退職して以来、数か月間求人も出さずに業務を回していた。

そんな時に有給休暇の申請があったが1人でも公休以外の休みが出るときつい・・・。

ここは時季変更権が適用されるはずだから有給休暇は取り下げてもらおう。

このケースでは人員が足らないのが慢性化していますよね?

これは「円滑な業務遂行の為の配慮」が足らないので時季変更権が適用されません

 

アルバイトの有給休暇が正社員の公休と被ってるから

繁忙期じゃないけど1人減ると他の従業員に負担がいくし、時季変更権が適用されるはず。

この場合は私も色んな仕事をしてきましたが、よく見かけるケースです。

ですがこの場合でも時季変更権は適用されません。

繁忙期でも無い限り、公休をきちんと回せる会社であるなら

有給休暇を取りたい人がいても通常の業務はこなせるはずですよね?

 

「時季変更権が使えると思ってたけど使えなかった」

そうならないように、会社側(雇用主側)でも労働者側でも覚えておきましょう!



有給休暇の期限と繰り越しについて

「有給休暇は最大40日で、それ以降は切り捨て」そう言われた事ってありませんか?

以前の会社で、この考え方の人がほとんどびっくりした事があります。

ここでは有給休暇の期限と繰り越しについて書いていきますね!

 

有給休暇の期限についてですが、こちらは労働基準法第115条で明記されており

有給休暇が発生してから2年という期限が過ぎると請求権が消滅してしまいます。

 

この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2年間

この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、

時効によって消滅する。(労働基準法第115条)

有給休暇は労働基準法の「災害補償その他」になるので期限は2年になりますね!

つまり繰り越しは出来るが、有給休暇を取れるようになってから2年で消滅するわけです。

 

「有給休暇は最大40日で、それ以降は切り捨て」というのは

勤続6.5年以上の人は有給休暇が40日まで貯める事が出来るので言われているだけで

勤続年数が少ない人は有給休暇が40日貯まる前に消滅してますので気を付けてくださいね。

 

有給休暇の買い取りって認められているの?

有給休暇の買い取りがある会社と無い会社ってありますよね。

有給休暇の買い取りをしてくれた方が良さそうな印象がありますが

実は有給休暇の買取が違法の場合もあったりします

 

有給休暇の買い取りって認められてるの?と聞かれたら

場合によっては買い取りが認められていると答えておけば大丈夫でしょう。

 

有給休暇の買取が違法になってしまうケース

具体的な例を挙げると

・有給休暇を従業員(労働者)に取らせるほど余裕が無いので買取しよう。

・有給休暇の消化率が悪いのでブラック企業な印象がついてしまうので買取したい。

このような例の場合は買取は違法になります。

 

有給休暇とは「労働者が仕事の疲れを癒す為、給与保証のある休暇」が本来の趣旨です。

例に挙げた2つケースは「仕事の疲れを癒す為の休暇」という

本来の趣旨から外れてしまっているので違法になってしまいますね・・・。

 

有給休暇の買取をしても大丈夫なケースとは?

もちろん有給休暇の買取をしても大丈夫なケースもあります。

こちらも具体例を挙げると

・退職前に有給休暇を全て消化したいけど、転職先の勤務開始日と重なってしまう。

・退職時の引継ぎをしないで有給休暇を使おうとしたら時季変更権が適用された。

こちらの場合は労働者側(従業員側)が退職時に有給休暇を取ろうとしたが

転職先での勤務開始や時季変更権が適用されて退職予定日までに使い終わらなかった。

割とよくあるケースですが、この場合は買い取りが認められています

 

この場合は労働者側が有給休暇が消化出来ない事で不利益を被りますよね?

ですので、こういったケースでは買取が認められています。

会社の就業規則によっては有給休暇を消化し終えてから退職扱いにしてくれたりと

対応が会社ごとに違うので、就業規則を確認してみるといいですね!

 

有給休暇を買い取って欲しいのが本音

有給休暇は取れるものだとは知っていても

「有給休暇を使いづらい・・・でも切り捨ては避けたい」

「休んでいる間に仕事が溜まってしまうので使えない・・・」

日本は他の国に比べて有給休暇の消化率が低いので、こんな声をよく耳にします。

 

少し古いデータになりますが、Yahooニュースでアンケートを取った結果が

ありましたので画像をお借りしてきました。

 

こちらの画像で紹介されている通り、

有給休暇買い取り制度を解禁して欲しい方が83.7%もいるのが日本の現状です・・・。

 

主な理由としては

「有給休暇を取ることで他の人に迷惑が掛かってしまう」

「職場が有給休暇を取らせてくれる雰囲気ではない」

「上司や部下が有給休暇を消化していないので取りづらい」

などが有給休暇を取らない理由の70%ほどを占めています。

 

私は有給休暇の買い取り制度の導入は取得率の低下を招きそうなので反対ですが

有給休暇を取りたくても取れない環境にいると

「有給休暇を買い取って欲しいのが本音」という声が挙がるのも納得です・・・。



まとめ

有給休暇について書いていきましたがどうでしたか?

今回の記事のポイントとしては

  • 有給休暇はどんな職種・形態であっても条件さえ満たしていれば発生する権利
  • 「有給休暇はうちの会社には無い」というのは違法
  • 希望した日を必ず有給休暇が取れるわけではないので注意!(時季変更権)
  • 未消化分の有給休暇は買取出来るケースもある
  • 有給休暇を取れないなら買い取って欲しいのが本音という人も多い

以上の5つがポイントですね!

 

心身の疲れを癒す為にも、有給休暇はどんどん消化していきたいところですが

有給休暇を取りやすい環境の職場を選ぶことが何よりも重要なのかもしれませんね!